段ボール工場の取り組み

本日のJMMにて「ダンボール工場の取り組み」というお題で植田信策先生:石巻赤十字病院呼吸器外科が投稿されておりました。少し引用いたします。

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災害時の避難所では簡易ベッドの導入が望ましいとされています。その理由として、

(1)「簡易ベッドの導入がエコノミークラス症候群の発生を減らす」1940年のロンドン空襲で地下鉄構内に避難した市民から肺血栓塞栓症による死亡が前年同期の6倍と多発したため、ロンドン市が簡易ベッドを導入したところ発症数が減少した。(Simpson K. Shelter deaths from pulmonary embolism. Lancet. 1940;ii:744.)

(2)「避難所では呼吸器障害を避けるため、顔を床から30cm以上離す事が推奨される」寝ている横を人が歩くため、そのたびに粉塵が巻き上げられ吸引してしまいます。特に津波の後では乾いた泥から細かい粉塵が巻き上がります。避難所では咳症状が増えています。

(3)「ベッドに寝る事で、体温の低下や衰弱の予防、褥創予防が期待できる」

(4)「ベッドを利用する事により、体力の低下した高齢者や麻痺のある方は起き上がる際の足腰の負担が少なくなる」高齢者は筋力が低下しているため、床から自力で起き上がれず寝たきりとなる恐れがあります.宮城県理学療法士会、および作業療法士会の調査で、震災前は自立していたのに、震災後は介助が必要となった方が17%いることがわかりました。また、寝たきりとなる高齢者が増えると誤嚥性肺炎症例が減りません。

(5)「ベッドは介護者の腰の負担を軽減する」高齢者を床から起き上がらせるのはかなりの労力を要します。

などがあげられます。今安価なコストと迅速な供給をめざした取り組みが段ボール業界から起ころうとしています。段ボール製の簡易ベッドを規格化し、日本中どこの工場でも作れるようにしようというものです。

この取り組みは今回の震災だけでなく、将来の災害にむけて避難所での健康被害、震災関連死を防ぐ有効なツールになると期待しております。

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このように日本のどこの段ボール工場でも簡易ベッドが規格化されていれば簡単に大量に安価に作ることが出来るというものです。


思えば自分も若かった時に徹夜の嵐で。。。でもその頃の床はPタイルで。。。でコンピュータのストックフォーム(バタバタ打ち出すヤツ)の要らない紙を再度ダンボールに入れてそれを5つも並べると狭いながらも簡易ベッドにしていたのを思い出しました。その姿はまさにスヌーピーそのものでした。妙に温かかったのを覚えています。う〜む、理に適っていたのかあ。。。もう30年以上も前ですが。。。